ゲーム開発者が開発者の目線で、このゲームの面白さを分析していきます。
なお、面白さのポイントについては、ゲームデザイナーjey.P.さんのブログの考え方に基づいて分析していきます。
私自身、この方のブログを読んでから、面白さへの解像度が上がった気がするので、一読をお勧めします。
<Jey.P.さんのブログはこちら>
ゲームの概要
クリッカー系ローグライク放置RPG。
カピバラが主人公。
クリッカー系と書いたが、既存のクリックしまくるRPGほどクリックはしない。
レベルアップするとランダムにスキルを獲得でき、そのスキルの組み合わせで敵を倒して進んでいく。
スキル以外にも、装備やペットなど組み合わせを考えられるものが他にも用意されている。
デベロッパーはダダサバイバーを作ったところ。
この一文だけで、面白そうに感じてしまうのがすごい。
このゲームの新しいところ
既存のクリッカー系放置RPGは、
敵を倒して経験値を得る→得た経験値でキャラクターの能力を上げる→さらに強い敵を倒す→最初のサイクルに戻る
という流れになっている。
これは、「得た経験値でキャラクターの能力を上げる」という部分について、クリッカー要素で能力をインフレ的に上げまくれるという設計にし、短いサイクルで成長と達成要素を味わいまくってもらうという楽しませ方になっている。
そのため、パチンコやスロットで大当たりを引いたような感覚に近くなっており、そういったものが好きな層に刺さる内容となっている。
これに対しカピバラGOは、
ランダムに表示される日々の行動を選択する→行動結果でランダムに能力があがる→敵を倒す→敵を倒すとランダムなスキルの中から自分で選択したスキルが獲得できる→最初のサイクルに戻る
という流れになっている。
これは、全体的にランダム要素の意思決定を味わいまくってもらうという楽しませ方になっており、既存の放置ゲームと違う新しいゲーム性となっている。
また、ゲーム性を変えたとしても、ランダム要素=運要素=ギャンブル要素と言うことができることから、こちらのゲームについてもパチンコやスロットが好きな層に、ちゃんと刺さる内容となっている。
面白そうに見えるポイント
面白そうなポイントではないが、キャラクターを見ただけで、ダダサバイバーのキャラクターと一緒だとわかる。
シンプルな見た目なのに、なんのキャラクターかわかるというのはすごい。
こういうのがキャラクターが立つというのだろう。
面白いポイント
メイン 意思決定 × 成長と達成
サブ 研究
日々の行動を選択していくとスキル選択画面になり、どのスキルを選ぶかという意思決定ができるが、これがボスまでに数回行われる。
そして、この連続した意思決定の最後にボスが控えており、そのボスを倒せるかどうかという成長と達成要素を問われる場面になる。
このように、意思決定→意思決定→成長と達成というサイクルを短い期間で繰り返すのがこのゲームの面白さとなっている。
また、スキルそのものだけでなく、装備やペットという要素にもスキルがあるので、スキルそのもの、装備、ペットをどの組み合わせにしてシナジーを生み出すかという研究要素がまた面白い。
ターゲットユーザーとペルソナ
ターゲットユーザー
かわいい動物とシンプルなゲーム性を好む20代後半女性。
ペルソナ
• 名前: 佐藤 花子(さとう はなこ)
• 年齢: 28歳
• 性別: 女性
• 職業: 出版社の編集者
• 居住地: 東京都渋谷区
• 趣味: 動物園巡り、読書、インディーズゲームのプレイ
• 性格: 好奇心旺盛で、新しいものやユニークなコンテンツに惹かれる。仕事の合間にリラックスできるゲームを探している。
• ゲームプレイ習慣: 週に数回、寝る前や通勤時間にスマートフォンでゲームをプレイ。ストーリー性があり、短時間でも楽しめるゲームを好む。
一番のライバルゲーム
キノコ伝説:勇者と魔法のランプ
ライバルに勝てるところ
インフレ系放置ゲームに飽きた層に突き刺さる意思決定と研究要素
まとめ
結論。
このゲームでは意思決定だが、人が面白いと感じる要素(アクション、成長と達成、意思決定、技術、探検、物語と模倣、研究)のどれかを連続で味わえるゲームというのは、企画としてありかもしれない。
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