ゲームの第一印象を決定づけるビジュアルデザイン。
「日本のゲームっぽいな」「これは海外のデベロッパーだな」と感じることがあると思います。
しかし同時に、「なんか違う」「これは日本じゃない」などの違和感を感じたこともありませんか?
この記事では、ビジュアルの違いや“文化的違和感”について、画像と表を使ってわかりやすく解説します。
日本のゲーム vs 海外のゲーム

日本のゲームっぽいと思える特徴
- デフォルメされたキャラクター
大きな目や丸い輪郭など、アニメ的な可愛さ重視。 - ポップで明るい色合い
緑やピンクなど、自然で親しみやすいカラー。 - UIもイラスト調
吹き出しやアイコンも柔らかい印象。
海外っぽいゲームと思える特徴
- リアルで重厚な人物描写
しわや髭、服の質感まで細かく描写。 - 暗めの色調と立体感
グリッド感のあるライティング、写実的な空気感。 - ミニマルなUI
情報は必要最小限。機能的でスタイリッシュ。
特徴 | 日本のゲーム | 海外のゲーム |
---|---|---|
キャラクター | アニメ的でデフォルメ | リアルで重厚 |
配色 | 明るくカラフル | ダークトーン重視 |
UI | ポップで装飾的 | ミニマルで整理整頓 |
和風 vs 洋風のビジュアル

和を感じる見た目の特徴
- 配色は落ち着いた色
紅、藍、若草など、自然に溶け込む色合い。いわゆる和色。 - 伝統建築や自然
神社、桜、庭園、障子など。 - 衣装
着物、髪飾りなど伝統的な造形。 - UI
和紙風など柔らかいデザイン。
洋を感じる見た目の特徴
- 金属や石材などの重厚な質感
鎧や城など中世的なデザイン。 - ダークトーンやシャドウを強調
重みとリアリズムを演出。 - シンメトリックで荘厳な構図。
- UIは堅牢なフレーム。
観点 | 和風 | 洋風 |
---|---|---|
色使い | 落ち着いた和色 | 強い光と影のコントラスト |
背景 | 自然・神社・桜 | 城・石造り・荘厳さ |
構図 | 余白・静けさ | 重厚・対称的 |
海外制作の“日本風”に感じる違和感
海外の人が作った日本の見た目に違和感を感じるのはなぜなのか。
考えられる理由は以下のとおり。
- 見た目だけの模倣にとどまっている
多くの場合、海外の作品では日本的要素を「ビジュアル記号」として取り入れているが、その背景にある意味が省略されて描かれている。 - 空気感が違う
日本文化には「間」「余白」「静けさ」と言った、いわゆる侘び寂びという美意識がある。
しかし、その感覚が理解できていない。 - 文化の本質的な理解がない
忍者、侍といった海外の人が好みそうなモチーフがよく使われるが、それぞれスーパーヒーローのような描かれ方をする。
日本制作の“海外風”に感じる違和感
逆に、日本で作られた海外が舞台の作品に、海外の人が違和感を感じることもあると思う。
- 文化や風習の理解不足
これは日本でも海外でも一緒。海外を舞台とする場合、特に宗教観などは要注意か。 - 言語の不自然さ
ローカライズした時の文脈が不自然だったり、現地の人は使わない表現だったりする。 - キャラクターのステレオタイプ化
外国人=陽気、というようなワンパターン化。
違和感は“ズレ”だけど、新たな魅力にも
文化等のズレは違和感を生み出すが、それを乗り越えた時に、魅力へと変わる可能性もある。
作品 | 評価された理由 |
---|---|
Ghost of Tsushima | 海外制作だが和文化へのリスペクトと丁寧な再現 |
ダークソウル | 日本独自の西洋解釈が海外ファンにも響いた |
まとめ
文化の“ズレ”からくる違和感は、裏を返せば創造性のチャンスでもある。
大切なのは「形」ではなく「理解とリスペクト」
要素 | 日本的(和) | 西洋的(洋) |
---|---|---|
キャラ表現 | デフォルメ・感情豊か | リアル・力強い |
配色 | 和色・自然調 | ライティング・陰影重視 |
世界観 | 静けさ・自然との共存 | 宗教観・善悪・対立 |
UI | 紙や墨の質感、飾り文字 | 金属的・合理的・モダン |
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