ゲームデザインの勉強をするために、そのゲームの持つ面白さを言語化する、という修行に取り組んできました。
その中で、ふとゲームデザインの歴史について気になった部分があったので、そちらもまとめておきたいと思います。
なお、全てChat-GPT調べとなっておりますので、あらかじめご了承ください。
光を使ったパズルゲームの、黎明期から現代までの進化をたどりながら、それぞれの時代を象徴するタイトルとその特徴が分かる
光の反射や屈折を利用したパズルは、ビデオゲーム以前からボードゲーム『ブラックボックス』(1970年代)で既に見られました 。ビデオゲームにおける黎明期としては、1987年に登場した以下の作品が草分け的存在です。
• 『Deflektor(デフレクター)』(1987年) – ミラーを回転させてレーザー光線を誘導し、画面上のターゲット(細胞)をすべて破壊するリアルタイムパズルゲームです。
限られた時間内で光を反射させ続け、光源を過負荷にしないよう注意しながらクリアを目指す独創的な内容でした。
発売元はGremlin Graphicsで、コスタ・パナイ(Costa Panayi)によるデザインで、オリジナリティの高さが当時高く評価されました。
本作は後に『Mindbender(マインドベンダー)』という続編も発売され、同様の光反射パズルが展開されました。
• 『Laser Chess(レーザーチェス)』(1987年) – コンピュータマガジン「Compute!」誌のプログラムとして発表された、レーザーと鏡を使った対戦型ボードゲーム。
チェスの駒のようなパーツに反射鏡を配置し、自分のレーザー光線を相手のキングに当てて倒すことが目的というゲーム。
ターン制でコマを動かしながら鏡で光路を作り出す戦略性は、パズル的な思考も要求される革新的なゲーム性でした。
1990年代には、光パズルの概念がさらなる進化を遂げ、色の要素や新たな仕掛けが加わっていきました。
代表的なタイトルとその特徴を挙げます。
• 『Laser Light』(1994年) – Pixel Painters社によるDOS向けパズルゲームで、あらかじめミラーや分岐器などをボード上に配置し、その後にレーザーを発射して正しく解が組み上がっているか確認するというスタイルでした。
解答をセットアップし**(配置フェーズ)、ボタンを押してレーザーを照射(実行フェーズ)**するという二段構えのゲームデザインで、成功すれば光がターゲットに届きパズルクリアとなります。
この方式は後述の『The Incredible Machine』シリーズにも通じるもので、プレイヤーは試行錯誤しながら光の経路を作り上げる楽しみを味わいました。
• 『The Incredible Machine 2』(1994年) – 様々なパーツで装置を組み立てる名作パズルの続編ですが、一部のレベルで色付きレーザーとフィルターを用いたパズルが登場しました。
この作品で採用されたマルチカラーの光線パズルは、後のゲームデザイナーに影響を与えています。
実際、1999年に登場する『Aargon』の開発者は、本作のように**「多数のパーツを組み合わせて解くパズル」**という発想から着想を得たと述べています。
• 『Aargon(アーゴン)』(1999年) – Twilight Games社によるPC向けレーザーパズルゲームです。
ビームの色分け・合成など高度な光学ギミックを導入し、複数色の光を分割して再合成するといったチャレンジングな問題を提供しました。
開発当初、作者たちは1980年代の先行作品を知らず手探りでルールを設計したそうですが、結果として非常に歯応えのある難解パズル集となり、一部熱心なパズルファンに支持されました。
• 『Dweep(ドゥイープ)』(1999年) – Dexterity Software社のPCパズルゲーム。
可愛らしい毛玉状のキャラクター「Dweep」を操作し、レーザーや爆弾などの障害を回避してゴールに導く作品。
レーザー光線は、直接当たると即ゲームオーバーになるため、鏡で光を反射させ経路を変えたり、他の道具で遮ったりして進みます。
戦略的にミラーやレンチ、水バケツなど非攻撃的なツールを使って障害を乗り越える点が特徴で、2000年のシェアウェア大賞を受賞するなど高い評価を得ました。
この時代、他にもAmiga向けの『Mindbender』や、オープンソースのクローン『Mirror Magic』など、『Deflektor』直系のライトパズルも各プラットフォームで展開されました。
ミラーでビームを誘導し、一定時間内に敵や障害物を除去するといった基本ルールは共通しており、タイム制限やエネルギー残量の管理がゲームプレイの緊張感を高めていました。
2000年代に入ると、PCやコンソールで光パズルがより洗練され、多数のレベルを収録した本格的なタイトルが登場します。
また、携帯ゲーム機やモバイル黎明期への展開も始まりました。
• 『Chromatron』(2002年) – プログラマーのSean Barrett氏が公開したフリーのパズルゲームで、レーザー光が常に発射された状態でプレイする定常状態のパズルデザインが特徴でした。現代の定常状態のゲームデザインは、ここから始まったと言えます。
全4作で計200問以上のステージが公開され 、固定のグリッド上で、ミラーやプリズムを配置して全てのターゲットに光を導けば即クリアとなります。
余談ですが、作者は当初有料販売も検討していました。
しかし、既存の『Aargon』と内容が酷似していると気付き、無料公開に切り替えた経緯があります。
このように、商業タイトルに劣らぬ高品質な無料作品が登場したことで、ビーム反射パズルの知名度が一気に広がりました。
• 『Prism: Light the Way』(2007年) – 英Morpheme Game Studiosによる2Dパズルゲームで、ニンテンドーDSや携帯電話(Javaアプリ)、後にiOSにも展開されました。
発光生物「Bulboid」から出る光を、鏡や分岐プリズム、フィルターブロックなど 「グルオン」 と呼ばれるパーツで操作し、対応する色のゴール(Glowbo)に導く内容です 。白色光のカラー変換やT字型のビームスプリッターによる一入力二出力など、多彩な光学ギミックが盛り込まれており、120以上のステージで徐々に難度が増していく本格派パズルとして好評を博しました。
この他、Valve社の一人称パズル『Portal』シリーズ(2007年初登場)では、エネルギー球やレーザービームを反射キューブで誘導する要素が組み込まれるなど、大作ゲームにも光パズルのエッセンスが取り入れられました。
また、2005年には物理ボードゲームのレーザーパズル『Khet』が登場し、PCやモバイル向けにも移植されるなど、光反射パズルのアイデアは様々な形で発展しています。
スマートフォンの普及に伴い、光の反射パズルはモバイルゲームで再び脚光を浴びます。
タッチ操作に最適化されたシンプルで直感的なパズルが多数登場し、通勤通学のスキマ時間でも遊べる手軽さから人気を集めました。
• 『Lazors』(2010年) – Pyrosphere社がリリースしたモバイル向けパズルゲーム。
シンプルな見下ろし型のボード上でブロック状のミラーや反射物体を動かし、レーザー光線をすべての標的に当てることが目的です。
短時間で解ける洗練された問題が揃っており、**「通勤中に遊ぶ禅のようなパズル」**とも評されるカジュアルさと、奥深さを兼ね備えています。
クリア時には画面上に「Bravo!」と表示されますが、プレイヤーがそのまま配置をいじって光の軌跡を確認し続けられる遊び心も持ち合わせています。
• 『Archaica: The Path of Light』(2017年) – ポーランドのインディー開発チームTwo MammothsによるPC/コンソール向けパズルゲーム。
古代文明風の美麗な3Dグラフィックの世界で、プレイヤーは各ステージに配置されたクリスタルやレンズを動かし、光の道を作って謎を解き明かします。
開発者は**『Chromatron』シリーズから大きな影響を受けた**と語っており、常時レーザーが照射された状態でピースを配置するスタイルなど、ゲームメカニクス面で共通点が見られます。
従来のグリッド型とは異なり、ステージ内に配置済みのパーツを、限られた範囲で動かすデザインを採用しているのも特徴で、洗練されたUIと相まって、新鮮なプレイ感を提供しました。
この時期、スマホアプリストアには他にも「Laser Puzzle」「Mirrors & Lasers」など、類似コンセプトのタイトルが数多く登場しました。
多くはミラーや分岐器、カラーフィルターといった定番ギミックを用い、短いステージを解いていく形式です。
また、一部作品ではAR技術を使って、部屋に仮想の光線を走らせる試みなども行われ、モバイルならではの発展も見られました。
近年では、過去の名作から影響を受けつつ、独自のテーマや演出を盛り込んだ作品が登場しています。
その代表例が**『Lumen.(ルーメン)』**です。
Lykke Studioによって開発され、2021年にApple Arcade向けに公開された本作は、クラシックな光パズルのメカニクスを現代的に洗練させています。
• 『Lumen.』(2021年) – 19世紀の発明家オリビア・マクルーメン(Olivia McLumen)が遺した不思議な箱を舞台にしたパズルゲーム。
箱の中には古い映写機のような装置が収められており、プレイヤーはレンズや鏡を操作して光を反射・屈折させ、フィルムに描かれた図形を完成させていきます。
各パズルは古い映画のコマのようなビンテージ風の演出で提示され、ステージを解くごとにチャップリン映画を思わせるサイレント調の短編映像が綴られるというユニークな内容になっています。
操作自体は直感的で遊びやすく、序盤は簡単ですが徐々に難易度が上がる構成で、合計160以上のレベルが用意されています。
光の反射・分散といった物理パズル要素に、レトロな世界観。
そして、モバイルならではのタッチ操作の快適さが融合した作品として高く評価されています。
『Lumen』のように現代の作品は、往年の光パズルゲームから発想を受け継ぎつつ、ストーリー性やビジュアル表現で差別化を図っています。
背景には、光そのものの美しさや不思議さを遊びに昇華したい、というデザイナーたちの共通したインスピレーションがあると言えます。
例えば『Lumen』開発者は、クラシック映画にヒントを得てデザインを決めたと述べており、過去のゲームメカニクスに新鮮なテーマをかけ合わせることで独自性を生み出しています。
まとめ
光を使ったパズルゲームは、1980年代のシンプルなレーザー反射から始まり、1990年代には色や新ギミックの導入、2000年代には大量のレベルを持つ本格作品や携帯機への展開、2010年代にはスマートフォンでのカジュアル化と多様な進化を遂げてきました。
そして現在、『Lumen』に代表されるように、長年培われたメカニクスに新たな発想やデザインが加わり、モバイルでも洗練された体験が提供されています。
これら代表的なゲームタイトルの系譜を見ることで、光パズルゲームの歴史的な流れとその革新点が明確に浮かび上がりました。
それはすなわち、光の反射・屈折というシンプルな現象が、時代ごとに様々な創意工夫を凝らされて遊びとして昇華されてきた歩みと言えるでしょう。
各時代の名作はそれぞれ独自の工夫を凝らしつつも、根底に流れるアイデアは共通しており、現在の新しい作品群にもその遺伝子が受け継がれています。
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