ゲーム開発者が開発者の目線で、このゲームの面白さを分析していきます。
なお、面白さのポイントについては、ゲームデザイナーJey.P.さんのブログの考え方に基づいて分析していきます。
私自身、この方のブログを読んでから、面白さへの解像度が上がった気がするので、一読をお勧めします。
<Jey.P.さんのブログはこちら>
ゲームの概要
画像の中から決められたお題のものを探すゲーム。
このゲームでは様々な猫を探す。
全ての猫を探すとステージクリアー。
ステージの猫には農場猫、忍者猫など、キャラクターが設定されており、ステージをクリアーすると、その猫のメダルのようなものが収集できる。
このゲームの新しいところ
探す系のゲームといえば?
と聞かれると、私は「ウォーリーを探せ」を思い出す。
何千人描かれているんだという画像の中から、赤と白のストライプ柄という特徴的な服を着ている、ウォーリーという一人の人物を探すゲームとなっている。
通常の探す系のゲームは、このウォーリーを探せのように、ごちゃごちゃした雑多なもののなかから、お題に沿ったもの探すというのが定番だった。
しかし、このゲームは、白黒の画像のなかから、白黒の猫を探すという作りになっている。
人の脳がどういう働きをしているか、みたいな難しい話は分からないが、定番のゲームから隠し方を変えたことによって、探すという同じ行為でも、プレイヤーに新たな体験を提供できている。
面白そうに見えるポイント
既存の探す系ゲームは、お題のもの一つを隠すために、十のものを配置して隠す。
という手法を取っていることから、どうしても画面がごちゃつくし、色合いもカラフルになりがちになる。
それに対して、ねこ探しは、白黒の画像に白黒の猫を配置しているので、必要最低限のものの配置、かつ、色合いも二色だけで済む。
これによって、ゲームプレイ画面が、非常に落ち着いた印象になる。
カラフルで楽しいゲームプレイ画面。
白黒で落ち着いたゲームプレイ画面。
好みの差なので、どちらがいいと言うものではない。
しかし、年齢層高めの方が、前者の画面を見ていると、少々疲れるかもしれない。
ねこ探しでは、落ち着いた心持ちで、既存の探す系ゲームと同じ体験ができることから、今まで取り込めていなかった、年齢層高めのユーザーが獲得できたのでは無いだろうか。
面白いポイント
メイン 探検 × 成長と達成
「探検」
と聞いただけでわくわくする。
単語にも「探す」という言葉が入っているように、未知のものを探し出し、既知のものに変える行為というのは面白く感じる。
この先には何が待っているのだろうか?
この中には何が入っているのだろう?
これを混ぜたらどうなる?
どこに隠れてる?
これは何?
あれは?
好奇心が満たされるのだと思う。
故に面白い。
これが探検要素。
そして、決められた個数の未知を見つけると、次のステージに進めますよ。
さらに未知をたくさん見つけると、コインがもらえますよ。
という設計になっていることから、成長と達成要素が加わっている。
ターゲットユーザーとペルソナ
ターゲットユーザー
日常生活で短い時間の合間に、リラックスや気分転換を求める30代後半女性。
ペルソナ
杉本 由美(すぎもと ゆみ)
• 年齢:38歳
• 性別:女性
• 職業:医療事務
• 居住地:神奈川県横浜市
• 家族構成:夫(40歳・会社員)、小学生の娘(8歳)
性格
• 責任感が強く、几帳面。
• 子どもの成長を気にかけつつ、自分のストレス解消も大切にしたいと考えている。
• 細かい違いを見つけたり、観察することが得意。
ライフスタイル
• 平日は9時~18時まで医療事務の仕事をし、夕方は子どもの習い事の送り迎えをしている。
• 通勤時間は片道40分。スマホでニュースを見たり、短時間で楽しめるゲームをするのが日課。
• 土日は家族と出かけたり、家でゆっくり過ごすことが多い。
一番のライバルゲーム
隠されているものをみつけよう-Find it Out
ライバルに勝てるところ
探すという同じ体験ながら、別の角度からの体験をプレイヤーに提供できているところ。
まとめ
結論。
このゲームでは、
「色をつけない」
という、あえてマイナスすることで、新しい体験を生み出した。
既存のゲームを組み合わせれば、新しい体験を生み出すことができる。
しかし、既存のゲームから何かの要素をマイナスすることでも、新しい体験が生み出せるのかもしれない。
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