ゲーム開発者が開発者の目線で、このゲームの面白さを分析していきます。
なお、面白さのポイントについては、ゲームデザイナーJey.P.さんのブログの考え方に基づいて分析していきます。
私自身、この方のブログを読んでから、面白さへの解像度が上がった気がするので、一読をお勧めします。
<Jey.P.さんのブログはこちら>
ゲームの概要
1マス1階層の地面を、999階層まで掘り進める穴掘りゲーム。
階層には、岩盤層のような硬い階層や、自己回復する階層など様々な階層が存在する。
掘り進めていくと、初期装備では進めなくなるタイミングがくるが、各マスには鉱石や宝箱が埋まっているため、掘り当てた資源をもとに、装備を強化しながらより下の階層を目指していくことになる。
このゲームの新しいところ
このゲームシステム自体は、スライム伝説というゲーム内の一つの強化要素として、ミニゲーム的に実装されていた。
そのミニゲームを発展させ、膨大なボリュームのメインゲームへの進化させたのがこのゲーム。
ゲーム内のミニゲームは、進化させれば立派なゲームになる、という視点が抜けていた。
子供の頃、初代FF7で、延々と同じミニゲームをやっていたのを思い出した。
名作と言われた作品のミニゲームを、もう一度遊んでみると新しいゲームの企画が思いつくかもしれない。
そして、「子供の頃」というワードで、また思い出した。
穴を掘るゲームといえば、ファミコンのDig Dugという名作があった。
穴を掘るゲームの原点は、Dig Dugに違いない。
というか、ファミコンソフトには、ゲームデザインの原点が詰まっているのではないだろうか。
改めて、実家に帰ったときに、ファミコンやってみようかと思う。
面白そうに見えるポイント
もうドット絵というだけで勝ち。
なぜドット絵のゲームは、それだけで面白そうに感じてしまうのか。
私の世代だと、人生で初めて「ゲーム」というものに触れたのがファミコンだった。
そのため、ドット絵を見るとあの当時の興奮が甦り、ドット絵のもの=面白いもの、という脳内変換がされているのかなと考えた。
しかし、もっと若い世代にもドット絵は人気なわけだから、それだけではないはず。
ドット絵の構成は、超絶簡単に言うと「四角のマスに色を付けて並べてある」というシンプルな構成と言える。
これは、誰にでも理解できて、誰にでも作れそうな見た目と言えるかもしれない。
そして、自分にも作れそうだと、ドット絵を打ってみて分かる。
これは、作者のセンスがもろに出るものだと。
実際にドット絵を打っていなくても、シンプルな構成だから、芸術とかよく分からんという人にも、作者の感性が伝わっているのかもしれない。
シンプルだからこそ、万人に突き刺さる。
ドット絵のゲームが面白そうに見えるのは、そういうことかもしれない。
面白いポイント
メイン 探検
サブ 研究 × 成長と達成
1マス1マス掘り進めていくと、鉱石が埋まっているマスが見えてくる。
鉱石の埋まっているマスまで辿り着くと、今度は宝箱が埋まっているマスが遠くに見える。
こうして、気づくと、どんどん掘り進めてしまう。
この先には何が埋まっているのか。
あっちには。
未知を既知に変える面白さの連続。
そして、サブ要素として、研究要素、成長と達成要素がある。
サブ要素が組み合わさっているのは、珍しいかもしれない。
このサブ要素は、装備の強化を表している。
装備の強化は、下の階層へ進むための準備でしかないため、あくまでサブ。
しかし、これがよく考えられていて、集めた鉱石で装備を強化していくのだが、鉱石自体にテトリスのような形が決まっており、各装備が持っているパネルのような部分に、そのテトリス型の鉱石をはめ込んで強化する、という仕様になっている。
そのため、ただレアな鉱石を集めれば強化できるというわけではなく、様々な種類の鉱石を集めて、初めて装備の強化が最大に強化できるということになる。
この仕様によって、深部まで進んでいたとしても、浅い階層の探検をすることに意味が出てくるため、長いサイクルで探検が楽しめるようになっている。
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ターゲットユーザーとペルソナ
ターゲットユーザー
作業ゲームが好きな20代後半男性
ペルソナ
• 名前: 高橋 陽介(たかはし ようすけ)
• 年齢: 28歳
• 性別: 男性
• 職業: 動物病院の獣医師
• 居住地: 東京都内のマンションで一人暮らし
• 趣味: ゲーム全般、特にシミュレーションやパズル系が好き。週末にはカフェで読書を楽しむ。
• ライフスタイル: 平日は忙しく働いているが、通勤時間や就寝前のリラックスタイムにスマホゲームをプレイして気分転換を図る。
一番のライバルゲーム
Dig Out!ダイヤモンドマイニングゲーム
ライバルに勝てるところ
見た目でもう勝ち。
まとめ
結論。
ミニゲームやファミコンはゲームデザインの原点。
あなどるなかれ。
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