ゲーム開発者が開発者の目線で、このゲームの面白さを分析していきます。
なお、面白さのポイントについては、ゲームデザイナーJey.P.さんのブログの考え方に基づいて分析していきます。
私自身、この方のブログを読んでから、面白さへの解像度が上がった気がするので、一読をお勧めします。
<Jey.P.さんのブログはこちら>
ゲームの概要
Block Jam 3Dのような、様々な色がランダムに並んでいるもののなかから、同じ色を揃えると消える、というブロックマッチパズルゲームから派生したもの。
ネジと、そのネジを入れる箱に色が付いており、同じ色のネジを外していく、というゲーム。
また、オブジェクトには重力がはたらいており、ネジを全て外すと、オブジェクトは下に落ちていく。
このゲームの新しいところ
決められた色を、決められた順番どおりに選択するパズルとしては、block jam 3Dから脈々と使い倒されているシステム。
逆に言えば、使い倒されるほどの面白さを兼ね備えているシステムと言えるが、パズル要素として新しいとは言えない。
しかし、このゲームの象徴的な対象となっている、ネジを外す、という要素を入れたことで新しくなっている。
ネジを全て外すと、各パーツも外れるようになるため、分解、という特に男性が好みそうな要素も少し味わえる。
分解や破壊が、なぜ面白く感じるのかも考えてみた。
分解や破壊をすることで、その物の仕組みが見えてくる。
こうなっているのか、こうやって動いているのかと。
これって探検だよな、と思った。
未知を既知に変える。
だから、分解は面白いのだと感じた。
面白そうに見えるポイント
様々なオブジェクトに付けられた、色とりどりのネジ。
説明不要、これぞネジパズル。
どうだ。
とデベロッパーの声が聞こえてきそう。
実際にこのゲームを作るのはすごいと思う。
単純に3Dオブジェクトを一つ作ればよいわけでなく、全てのパーツごとに3Dオブジェクトを作らなければならない。
しかも、あの量のオブジェクトに、一つ一つネジをつけるなんて考えたら、到底一人では作りきれない。
しかも、パズルとして成立するような場所にネジを配置しなければならないという。
苦行ですか?
ちなみに、パズルとして成立するようにと書いたが、もっと言うと、一度は何かしらの広告を見ないとクリアーできないように、ネジが配置されている。
私がパズル下手なだけという可能性もあるが、同じ問題を何度プレイしても行き詰まったので、多分そうなっている。
これも広告の見せ方としては上手い。
ほんとにあと少し、というところで行き詰まるので、クリアーするために、ついつい広告を見てしまう。
もちろん、行き詰まらせて広告見せる、というのを目的にしてはだめだが。
あくまでも、プレイヤーに楽しんでもらう、というのを一番に考える。
その上で、広告を見るともっと楽しくなりますけど、どうですかね?という感じて広告を見てもらう。
これが広告の見てもらい方ですね。
面白いポイント
メイン 成長と達成 × 探検
サブ 研究
パズルゲームなので、研究要素を入れたいところ。
しかし、ネジの色と、ネジを入れる箱の色が、ゲームをやり直すたびにランダムに変わるので、研究の予知はあまりない。
その場その場の状況で、外すネジをどれにするか選ぶ、という意味では、意思決定要素と言ってもいいかもしれない。
しかし、ネジを外して箱に入れていくプレイは、成長と達成要素の方が強い気がするので、成長と達成要素をメイン要素とした。
このゲームは、パズルとしての面白さというよりも、クリッカー系の放置ゲームの面白さに近いのかもしれない。
とは言え、全く何も考えずにネジを外していくと、すぐ詰むことになる。
そのため、サブとして研究の要素が入っているくらいかなとした。
また、メインのもう一つの要素として探検をあげたのは、分解するという行為そのものが探検に当たると考えたからである。
しかも、分解していく途中で、発見があるように作られていたりする(ライオンを分解していたのに、途中からうさぎになっていた!)ことも、探検の要素が強いと思った一つと要因になっている。
そこで思ったのは、プレイヤーが意図したものを発見する、というのが探検の基本で、もちろん面白くなる。
しかし、意図していなかったものを発見する、というのも面白くなるんだと感じた。
ただし、全てが意図していないものの発見だと、プレイヤーが何を探せばいいか目的を失ってしまうので、あくまで少しだけ意図していないものを入れる、ということになるが。
宝探しを例にしてみると、宝があるのが分かっていて、どこに宝があるのだろうかと探すのがメインの目的。
そして、宝探しの途中で、思いがけず息をのむような美しい景色を目の当たりにし、他にも美しい景色があるのだろうかと、楽しみが増えたと言った感じだろうか。
ターゲットユーザー
ストレス解消を求めている20代後半男性
ペルソナ
名前:佐々木 悠斗(ささき ゆうと)
年齢:28歳
性別:男性
職業:営業職
居住地:東京都内のワンルームマンション
年収:400万円
家族構成:独身、一人暮らし
ライフスタイル:
• 平日:朝早く起床しスーツで通勤。日中は顧客との打ち合わせや訪問が中心で、日々のノルマに追われている。
ランチは外食かコンビニが多く、昼休みや移動中の隙間時間にスマホゲームで気分転換を図る。
帰宅後は軽めの夕食をとり、YouTubeを見たりスマホゲームをプレイして過ごす。
• 休日:週末は友人と飲みに行くこともあるが、基本的には自宅でのんびりするのが好き。
ストレス解消のためにゲームや映画を楽しむことが多い。
趣味・興味:
• 趣味:スマホゲーム(特にカジュアルゲーム)、映画鑑賞(アクションやサスペンス)、スポーツ観戦(サッカー)
• 興味:簡単にリフレッシュできるコンテンツ。
複雑なゲームは敬遠しがちで、短時間でスッキリできるものを好む。
一番のライバルゲーム
Screw Jam
ライバルに勝てるところ
ライバルゲームのScrew Jamは、2Dオブジェクトのネジを外していくものとなっている。
それに対し、こちらのゲームは3Dになっていることで、分解している感が強くなっている=探検要素が強くなっている。
まとめ
する結論。分解や破壊も探検と一緒の面白さ。広告を見てもらったら、ゲームが面白くなるように設計すること。
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