ゲーム開発者が開発者の目線で、このゲームの面白さを分析していきます。
なお、面白さのポイントについては、ゲームデザイナーJey.P.さんのブログの考え方に基づいて分析していきます。
私自身、この方のブログを読んでから、面白さへの解像度が上がった気がするので、一読をお勧めします。
<Jey.P.さんのブログはこちら>
ゲームの概要
The作業ゲーム。
フリック操作で芝刈り機を操作し、ひたすら芝を刈るゲーム。
刈った芝の中から蝶々などが出てきたりするので、その蝶々などを捕まえてコレクションすることもできる。
また、何かを捕まえたときと、ステージをクリアーしたときにゲーム内コインがもらえるので、そのコインで芝刈り機を強化したり、見た目を変更したりすることができる。
このゲームの新しいところ
芝刈りをゲームにしたところ。
作業ゲームの定義みたいなものがあるとしたら、
・現実にあるもの、現実にある作業であること
・作業にかかわるものがリアルに作られていること
・単調作業であること
・達成することによって報酬がもらえること
・その報酬によって作業を強化できること
といったところどろうか。
現実世界にあって、ゲーム世界にないものがあったら、それはゲーム化のチャンスかもしれない。



面白そうに見えるポイント
面白そうに見えるポイントとは少し違うかもしれないが、芝刈り後の芝目の綺麗さがよくできている。
芝刈りのゲームなので、芝を刈った後は「よし、綺麗になった」という達成感や充足感が欲しいと思う。
その達成感や充足感という表現が、芝刈り後の芝目の綺麗さで感じられる気がする。
面白いポイント
物語と模倣 × 成長と達成
作業ゲームは、現実にあるものを体験するゲームなので、模倣要素は確実に必要。
現実にないものや、現実ではありえない動きをしては意味がない。
と書いてて思ったが、ファンタジーの世界でありえるものであれば、それはそれでゲームとして成り立ちそうな気もする。
例えば、このゲームではトラクターを操作して芝刈りを行うが、ファンタジー世界ではドラゴンを操作して、ドラゴンの炎で芝刈りしてもいい気がする。
サイバーパンクの世界なら、掃除機ロボットとか。
だからこそ、リアルさが求められると思う。
このリアルさと言うのは「写真や映画みたいだ」という写実的なリアルさではなく、その世界が存在していたとして、「世界が破綻していないか」という社会的なリアルさになると思う。
社会的なリアルさがしっかりしていれば、現実世界にないものも模倣要素とすることができそうだ。
ただし、ファンタジー芝刈りゲームや、サイバーパンク芝刈りゲームが面白くなるかどうかは、また別の話。
ターゲットユーザーとペルソナ
ターゲットユーザー
子育て中の20代後半女性
ペルソナ
佐藤 美咲(さとう みさき)
- 年齢:29歳
- 性別:女性
- 職業:専業主婦
- 家族構成:夫(会社員・32歳)、長男(3歳)、長女(1歳)
- 居住地:千葉県・郊外の一戸建て
- 生活スタイル:
- 平日は夫を送り出したあと、子どもたちの食事・洗濯・掃除など家事に追われている
- 長男の幼稚園の送り迎えの合間に娘の世話をしており、ゆっくり座る時間は少ない
- 子どもが昼寝している時間(13時〜14時頃)が唯一の「ひとり時間」
- 就寝前の30分ほど、布団に入ってスマホを見るのが癒しの時間
ゲームのプレイスタイル
- プレイ時間帯:
- 子どもが昼寝している昼過ぎ
- 夜、寝かしつけた後の就寝前(21時〜22時)
- プレイ時間:1回あたり5~10分程度
- プレイ頻度:ほぼ毎日、短時間プレイ
- ゲームに求めるもの:
- 複雑な操作ではなく、直感でできるシンプルさ
- 成績やタイムを気にせず「自分のペースで楽しめる」こと
- 忙しい日常の中で、自然や音に癒される感覚
- 達成感よりも“安心感”や“無心になれる感覚”
まとめ
結論。
作業ゲームを作る時は
・現実にあるもの、現実にある作業であること
・作業にかかわるものがリアルに作られていること
・単調作業であること
・達成することによって報酬があること
・報酬によって作業が強化できること
を意識して作成すること。

<関連記事>
<PR>