ゲーム開発者が開発者の目線で、このゲームの面白さを分析していきます。
なお、面白さのポイントについては、ゲームデザイナーJey.P.さんのブログの考え方に基づいて分析していきます。
私自身、この方のブログを読んでから、面白さへの解像度が上がった気がするので、一読をお勧めします。
<Jey.P.さんのブログはこちら>
ゲームの概要
ニュージーランドのゲーム開発会社PikPokが手がけた積みゲー3マッチパズル。
2024年4月にiOSおよびAndroid向けにリメイク版がリリースされ、Apple Arcadeでもプレイ可能に。
元は2012年にBAFTA賞にノミネートされた作品。
今作はオリジナル版をベースに、現代のデバイス向けにビジュアルやゲーム性が強化されている。
プレイヤーは、ジェンガのように積み重ねられたカラフルなコンドミニアム(マンション)の階層を左右にスワイプし、モンスターに与える。
そのときに、残ったコンドミニアムが同じ色の階層で3つ以上揃うと、得点が入る。
コンドミニアムの色は赤、青、黄、緑の4色。
モンスターにもコンドミニアムと同じ色が存在し、正しい色の階層をモンスターに与えることでもポイントを獲得できる。
また、正しい色の階層をモンスターに与え続けると特殊能力を発動できる。
なお、間違った色の階層を与えすぎるとモンスターが怒り、タワーを崩されゲームオーバーになる。
上記のようなプレイを2分間の制限時間内で行い、スコアを競うというゲーム。
このゲームの新しいところ
積んでいく系のゲームに、3マッチパズルを組み合わせたところ。
やはり海外のデベロッパーは、組み合わせるのがうまい。
面白そうに見えるポイント
ゲームの世界が、ショーをイメージした内容になっている。
そのため、海外のショー番組といった、派手な動き、派手な色というUIで作られている。
とはいえ、大味で大雑把なUIというわけではない。
見てほしいところ動かす。
注目してほしいところを光らせる。
見た目の形でどんな機能なのか分かる。
というような、細かな部分もしっかり考えられている。
なので、ゲームをしていて操作が分からなくなる、ということはなかった。
UIは意識されないのが正解。
という言葉を聞いたことがある。
これは、ゲームをしていて迷うことがない。
操作に行き詰まることがない。
という素晴らしい状態を表しているのだと思う。
しかし、迷わせない、行き詰まらせない、ということを大前提にしつつ、UIが前面に出てもいいと思う。
UIが前面に出ている最高峰のゲームがペルソナシリーズだと思う。
あのUIは本当にかっこいい。
機能プラスα。
そんなUIを作っていきたい。






面白いポイント
メイン 意思決定 × 技術
パズルなので研究を入れたいところではあるが、今作においては研究要素はないと言ってもいいかもしれない。
ジェンガのように積まれたコンドミニアムを、一つ取り除くと、一つコンドミニアムが落ちてくる。
そのコンドミニアムは完全にランダムに落ちてくるので、その場その場で、どのコンドミニアムを取り除くかという判断を下すことになる。
これが意思決定要素。
そして、連鎖させるには、どのコンドミニアムを取り除けば、連鎖になるのか。
プレイすればプレイするほど、その精度が上がっていく。
これが技術要素。
初めてプレイしたユーザーは、当然、技術を持ち合わせていない。
そのため、技術が最初の要素にくるゲームだと、できない、すぐ負ける、というような負の感情を抱くことになり、それがユーザーの離脱につながってしまう。
なので、最初はなんとなくプレイしても、進めることができる。
そして、なんとなく進めていると技術が身についている。
そんなゲームデザインが良いし、このゲームはそうなっていると感じた。
ターゲットユーザーとペルソナ
ターゲットユーザー
スマホアーケーダーの二十代前半男性
ペルソナ
- 名前:岩本 翔太(イワモト ショウタ)
- 年齢:22歳
- 性別:男性
- 職業:大学4年生(経済学部)
- 居住地:東京・一人暮らし(学生マンション)
- 使用端末:iPhone 15 Pro、iPad mini(サブ端末)
- ゲーム利用環境:Apple Arcade サブスクリプション加入済
- プレイ時間:1日あたり30分〜1時間(通学中や寝る前)
- 好きなゲームジャンル:アーケードゲーム、音ゲー、テンポの良いインディーズ系
まとめ
結論。
前面に出ているのに、意識されないUI。
これが理想のUI。

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