Monument Valley2

ゲーム開発者が開発者の目線で、このゲームの面白さを分析していきます。
なお、面白さのポイントについては、ゲームデザイナーJey.P.さんのブログの考え方に基づいて分析していきます。

私自身、この方のブログを読んでから、面白さへの解像度が上がった気がするので、一読をお勧めします。

<Jey.P.さんのブログはこちら>

ゲーム概要

3D錯視パズルゲーム。
エッシャーの騙し絵のような世界で、キャラクターを目的地点まで誘導していくパズルゲーム。
キャラクターはタップした地点まで進んでいくが、タップした時点で道が繋がっている部分にだけ進めることができる。
そのため、プレイヤーはステージのギミックを回転させたり、スライドさせたりしながらキャラクターが通れるように道を繋いでいくことになる。

このゲームの新しいところ

キャラクターが通れるように道を繋ぐパズルゲームなら、他にもたくさんあると思う。
しかし、このゲームは、そこに錯視の要素を組み込んでいる。
現在は繋がっていない道もステージを回転させると繋がっているように「見える」。
この繋がっているように見えるというのがポイントで、繋がっているように見えると、キャラクターはその道を進むことができるのだ。
もうこれが意味分からなすぎて最早パニック。
3Dオブジェクトが配置されていて、その見る位置を変えたところで、実際には繋がってない訳だから、普通に考えれば通れるようになるはずがない。
これを通れるように実現してしまっている、開発者の発想力と技術力には尊敬の念しかない。

自分で作るとしたら、どうするだろうかと考えてみた。
例えばステージの配置が変わっているように見えない程度に3Dオブジェクトを少しずらして、実際に繋げているとか?
だとしたら、3Dオブジェクトの微調整の嵐で、とんでもなく根気のいる作業になる。
でも、多分このゲームの開発者は、そんなことはしていないと思う。
私ではこんな陳腐な解決策しか思いうかばない。

面白そうに見えるポイント

パズルゲームとしての、問題を解く面白さだけではなく、各ステージの美しさもこのゲームの魅力の一つ。
どのステージも趣向がこらされたステージとなっており、ゲーム全体を通して癒し空間がそこには広がっている。
プレイヤーはこのゲームを楽しみながら、ゆったりした時間を過ごす。
そんなことすら想像できる。
プレイヤーにどんな環境でプレイしてもらいたいのか。
我々開発者はそこも考えなければならない。

面白いポイント

メイン 研究 × 研究

サブ 物語と模倣

パズルゲームの面白さは、あーでもないこーでもないと色々試してみて、正解まで辿り着く。
その試行錯誤の過程を、研究として楽しむのがパズルゲームの醍醐味だと思う。
そして、このゲームは、とりあえず触ってみる、とりあえず動かしてみるという、その試行錯誤段階がまず楽しい。
ステージを動かしてみると、予想もしなかったような形にステージが変わったりするので、変化させるのが楽しくなる。
その変化させるという行動が、試行錯誤に直結しているので、試行錯誤が楽しくなるのだ。

また、ステージを進めると合間合間に言葉のないストーリーが展開される。
そのストーリーが、この世界はどのような世界なのかと想像させるようなストーリーになっている。
そして、次のステージに進むと、ステージ名が意味深なタイトルだったりするのだ。
ストーリーがしっかり描かれているわけではない。
しかし、次のステージを進めたいという欲求を起こすには、充分な内容となっている。

ターゲットユーザーとペルソナ

ターゲットユーザー

美的感覚を重視し、直感的なゲームプレイを好む20代後半の女性

ペルソナ

名前: 佐藤 美咲(さとう みさき)

年齢: 28歳

性別: 女性

職業: デザイン会社勤務のグラフィックデザイナー

居住地: 東京都渋谷区

家族構成: 一人暮らし

趣味: 美術館巡り、写真撮影、インディーズゲームのプレイ

ゲームプレイ習慣: 通勤時間や就寝前にスマートフォンでゲームを楽しむ。
特に視覚的に美しく、短時間でプレイ可能なゲームを好む。

価値観・嗜好:

• 美しいデザインやアートに強い関心を持つ。

• 独創的な世界観やストーリーに魅了される。

• 日常の中でリラックスできる時間を大切にする。

女性をペルソナに設定しましたが、以下のようなことを言っている本があります。
男性をペルソナに設定するのもいいかもしれません。

通常、3D空間の操作を伴うパズルは男性の興味を強く引きますが、女性にとってはイライラさせるものになります。

ゲームデザインバイブル第2版

ゲームデザインバイブルもJey.P.さんがお勧めしていた本ですが、題名のとおりゲームデザインについて網羅的に学べる良書となっています。

一番のライバルゲーム

Gorogoa

こちらも独創的なゲームデザインのパズルゲーム。
Gorogoaは有料版しかないが、Monument Valley2が好きなら購入の価値は充分にある。

ライバルに勝てるところ

パズル性のMonument Valley
ストーリー性のGorogoa
と言ったところ。

まとめ

結論。
新しさは人を惹きつける。

Monument Valley 2
Monument Valley 2
開発元:ustwo games
¥600
posted withアプリーチ

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